【カナダ就職】LMIA(労働市場影響評価)って何?

【カナダ就職】LMIA(労働市場影響評価)って何?
カナダで働くことを考えている皆さんにとって、耳にする機会が多い「LMIA」。でも、具体的に何を意味していて、どう関わってくるのか――今回は、公式情報を丁寧に参照しながら、分かりやすく解説していきます。


💡 LMIAとは何か?公式定義から読み解く


まず、Immigration, Refugees and Citizenship Canada(IRCC)の公式説明を見てみましょう。

“A Labour Market Impact Assessment (LMIA) is a document that an employer in Canada may need to get before hiring a foreign worker.”
 “A positive LMIA will show that there is a need for a foreign worker to fill the job. It will also show that no Canadian worker or permanent resident is available to do the job.”
 “Once an employer gets the LMIA, the worker can apply for a work permit.”
 Government of Canada

これを日本語で言い換えると――
 「カナダ国内の雇用主が外国人を雇用する前に取得すべき書類で、そのポジションには外国人労働者が必要である、かつカナダ人・永住者では代替できないということを示すもの。取得された場合、その外国人は就労許可を申請できるようになる」 ということになります。

つまり、LMIAとは “外国人を雇うことが、カナダの労働市場において適切である”ことを公的に証明する仕組み なのです。


🧭 何のために LMIA が必要?制度の目的を理解する


次に、もう少し背景を掘り下げましょう。何故このような制度が設けられているのか?公式サイトで分かるポイントを整理します。

✅ 雇用主として

雇用主が外国人(臨時労働者:Temporary Foreign Worker)を雇いたい場合、まず自らがLMIAが必要かどうかを確認する必要があります。国の制度上、多くの場合このLMIAを取得する必要があります。
 また、雇用主側は以下のような責任を負っています:

  • カナダ人・永住者をまず募集したか(求人広告など)
  • 提案する雇用条件(賃金・勤務条件など)がカナダの基準を満たしているか
  • 労働市場への影響を適切に評価できるか など

✅ 労働者として

外国人労働者として考える時、LMIAが関わって来るのは、「この職に就くために雇用主がLMIAを取得しているかどうか」「自分が申請すべき就労許可(Work Permit)がLMIA付きなのか免除なのか」を確認することです。例えば、LMIA付きの職なら、雇用主が先にLMIAを取得し、その取得後に労働者がWork Permitを申請できるようになります。

 公式にはこう記されています:

“Employers of some types of temporary workers need to get a Labour Market Impact Assessment (LMIA) before the worker applies for a work permit.”
Government of Canada
 
この文言からも、“雇用主が先に”という順番が重要であることがうかがえます。


📝 LMIAを取得するかどうかの判断材料


LMIAが「必要かどうか」を判断する際のポイントを、公式情報からピックアップしておきます。

  • 多くの雇用主は、外国人労働者を雇う前にLMIAを取得する必要があります。

  • ただし、職種やプログラムによっては “LMIA免除(LMIA-exempt)” のケースがあります。例えば、特殊な国際協定、企業内転勤、フランコフォーン移動プログラムなど。

  • 雇用主側としては、どのストリーム(高賃金/低賃金/農業/ケアギバーなど)でLMIA申請するかをまず確認する必要があります。

こうした判断材料を頭に入れておくことで、求人を探すとき・雇用先と交渉をするときに「このオファーはLMIA付きかどうか」を見極める目がつきます。


📋 LMIA取得の流れと労働者側の手続き


ここでは、LMIA関連の 大まかな流れ を整理しておきます(ただし詳細な手続き・書類・条件はケースによって異なりますので、必ず公式サイト又は、公認の弁護士又はビザコンサルタントに確認してください)。

  1. 雇用主が求人活動を実施:カナダ人・永住者をまず募集したか、賃金・条件が適切かなどを検証。

  2. 雇用主がLMIA申請:雇用主が Employment and Social Development Canada(ESDC)あるいは関連部局に申請をします。

  3. Positive LMIA(承認)が出る:政府が「外国人を雇ってもカナダ人・永住者の雇用に悪影響がない」と判断した場合、承認レター(confirmation letter)が発行されます。

  4. 労働者が就労許可(Work Permit)申請:労働者側は、雇用主からのジョブオファー、雇用契約、LMIAのコピー、LMIA番号等を用意して申請します(IRCCのフォームなど)。

  5. 就労許可が発給されると就職開始:許可を得て、指定の雇用主のもとで働き始めます。

この流れで重要なのは、「雇用主→LMIA取得→労働者→就労許可申請」という順番が崩れてはいけない点です。


🚨 押さえておきたい注意点・最新の動向


制度を利用するにあたって、知っておいた方が良いポイント・最新の改正動向もおさえておきましょう。

  • LMIAが承認された=即就労許可が出る、というわけではありません。あくまで“雇用主が外国人を雇ってもよい”という証明であり、労働者側の就労許可申請が別途必要です。

  • 低賃金ポジション(Low-Wage Stream)など、特定のストリームでは追加の制限や審査強化が入っています。

  • 雇用主が支払うべき手数料や手続きコスト、求人広告の要件なども存在します。例:低賃金ポジションでの申請には $1,000 CAD の申請料がかかります。

  • 労働者側に「オファー料を払ってジョブをもらう」というような詐欺的な募集も報告されています。求人の正当性をしっかり確認することが大切です。


🎯 まとめ:LMIAは「カナダで働く・雇われる」ための重要な一歩


  • LMIAとは、雇用主が“この職種には外国人を雇って良い”ことを政府に証明するための書類。

  • 労働者としては、LMIA付きオファーを持つか・免除対象かを把握しておくことが重要。

  • 制度を通じて、カナダ政府は「カナダ人・永住者の雇用を優先する」「外国人雇用が労働市場に悪影響を与えない」という基準を保とうとしています。

  • 実務的には、雇用主がどのストリームで申請するか、広告・賃金・雇用条件がどうか、手続きがどうかに注目する必要があります。

※この記事はカナダ政府HPの情報(2025年10月21日時点)をまとめたものです。詳細な手続き・書類・条件はケースによって異なりますので、最新情報は必ず公式サイト又は、公認の弁護士又はビザコンサルタントにご確認ください。


📚 出典




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